串田孫一さんの文は、
大げさに
語ることなく、
気張らず
ひとり静かに山を楽しみ、
山の中に身を置いていることが感じられる。
山岳文学の作家は沢山いるけれど、
私には、串田孫一さんの山の本がやはりいちばんしっくりくるのです。
群馬のsuiranさんに選書して頂いたこちらの一冊は落ち着いた装丁も美しく、
静かな山旅を本の中で感じられる
一冊。
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咲き揃った花も、
雪との別れが遠くなった山肌も、
その山々を訪れる雲の輝きも、
すべて、夏を告げる。
丁寧に洗ったばかりの夏である。
想い浮かんでくる親しい人達を何人でも
連れてきて、ただ黙って立っていたいような
眺めである。
〜本文72より抜粋〜
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ふと、開いた一章を読めば
山を吹いてくる風、
優しい水音、
鳥たちの声が
聞こえてくるのです。
◯文京書房発行
◯函、本体ともに美品、著名入り