日本の児童文学の礎を築いてきた石井桃子さんの
軌跡をたどる一冊。
この本を
編集された若菜晃子さんは、
児童文学界とは違う編集者の目線で立っていらして、
その切り口が児童文学界内側からではなく、
外側=読者である私たちからの目線に立っていて、その軽やかさがこの本の魅力となっている
気がします。
かく言うわたしも
数年前、石井桃子さんのエッセイを
読んだ時から、そのことばの魅力に取り憑かれたひとりです。
石井桃子さんの人物像については尾崎真理子著
「ひみつの王国」(新潮社発行)というすごい
追跡量の評伝が存在します。
石井桃子さんのことばは人を動かし
捉える力を持っている。
編集者の
若菜晃子さんや、上に紹介した尾崎真理子さんの
石井桃子を追い続け一冊の本を作った姿からも
そのことを感じます。
何が彼女たちを駆り立てたのか。
本書は、石井桃子のことばへの最初の扉を
ふっと軽やかに開いてくれる一冊です。
◯とんぼの本
◯新潮社発行