1977年屋久島に移住し、土を耕し、自給自足の暮らしの中で詩を紡ぎ続けた山尾三省。
生誕80年を記念して2018年に刊行された一冊。
1960年代コミューン運動を起こした山尾三省。
原子力発電が日本に導入され、
経済大国へと突き進む日本の姿を危惧し続け
亡くなる直前まで言葉を発し続けた。
私にとっては父の世代にあたる時代を
生き抜いてきた人。
父の本棚にも当時出版された古い三省さんの
本がある。
没後19年。世代が移りゆく今、
東日本大震災、コロナウィルスの
蔓延を迎えた今、わたし達はこれからの
50年をどう歩いていくのか。
三省さんの詩は
人間はどこへ立ち返らなくてはいけないのかを
いつも深く問いかけます。
どこに立ってあなたは
生きていきますか?と。
親の世代から、自分たちが中心の世代へと
移行していく時にも
光を放ち続ける
三省さんのことば。
1日の終わりに、ふと本を開き一編の詩を読む時、
心の中に
深い山の夜の空気が流れ込み、
小さな火が静かにはぜるのです。
◯野草社発行/新泉社発売